野球の指導や解説の中でよく耳にする”タメ”についてじっくりと解説します。

Q: よく耳にする“タメ”とは何ですか?

A: 踏み出した足に力をためることです


Q: “タメ”を作るとどうなるの?

A: 上半身を強く捻ることができます


Q: 上半身を強く捻るとどうなるの?

A: 腕を振るスピードが速くなります


Q: どうして上半身を強く捻ると腕を振るスピードが速くなるの?

A: 腕に推進力を与えるからです


Q: 推進力ってどんな力?

A: 腕を前におし進める力です


Q: 上半身を強く捻ることで、他にどんな効果があるの?

A: 腕を最後まで振り切ることができます


Q: どうして上半身を捻ると腕を振りきることができるの?

A: 踏み出した足の外側に腕を振れるからです


Q: どうして上半身を捻らないと腕が振り切れないの?

A: 腕が自分の体にぶつかってしまうためです


Q: 腕を最後まで振り切るとどうなるの?

A: ボールのスピードが速くなります


Q: タメを作るとコントロールは良くなるの?

A: はい。腕の動作が安定しコントロールが良くなります


Q: タメを作ると他にどんな効果があるの?

A: 腕の疲労が少なくなります


Q: どうして腕の疲労が少なくなるの?

A: 全身を使って投げることができるからです


Q: どうして全身を使って投げると腕の疲労が少なくなるの?

A: 腕に無駄な力を入れなくても


Q: なぜ腕の力に頼らなくていいの?

A: 下半身で作った力を無駄なく腕に伝えることができるからです。



■タメのあるフォームの作り方


1 息を吐きながらキャッチャーミットの位置を確認

kamae


直接”タメ”には関係ありませんが、意識を集中させる重要な動作です。ワインドアップ、ノーワインドアップ、セットポジション全てにおいて、ゆっくりと息を吐きながらキャッチャーミットの位置をしっかりと確認します。



2 軸足全体で体重を感じながら立つ

tatsu

足のつま先とかかとで力を受けて、太ももの付け根~ヒザで体重を感じるとバランスが安定します。


”投げる力”=軸足に乗せた体重です。


ぐらぐらしたまま次の動作に入ると、投げる力が逃げてしまいます。投げる力をきちんと作るために、安定して立つ練習を繰返し行ってください。


3 自然体で足を踏み出す

fumidashi


ヒップファーストを意識しすぎると、利き腕の肩が大きく下がり、腕が背中側へ入り、その後、腕が上がってこないということになる場合があります。


また、踏み出す足の着地を遅らせるように指導する方もいますが、体が前に突っ込んでしまうことが多く、腕が上がりきらない状態で投げるタイミングが来てしまいます。


ですから、踏み出しについては、あまり意識をする必要はありません。


見ていて踏み出しが早いなと感じる投手には、踏み出す足の裏をキャッチャーに見せるように、少し上げることで、投げる力を逃がすことなく、踏み出すことができます。



4 頭・軸足・踏み出し足で直角三角形をつくる

tame1


ここからが“タメ”をつくる動作です。


体重は軸足に乗せたまま、このときの形を確認してみましょう。


頭・軸足・踏み出した足先が点線の直角三角形になるイメージで踏み出して下さい。


実際には実線の形になりますが、直角三角形をイメージすることで上半身の突っ込みを抑えることができます。


またこのとき、背筋は真っ直ぐに伸ばしておくことで、腕が上がりやすくなることもポイントです。


5 タメをつくる体重移動

ido


軸足に乗せている体重を踏み出した足に移していきます。


このとき、右投手なら上半身は三塁方向を向いたまま、左投手なら一塁方向を向いた状態を維持して体重移動を行います。


移動のさせ方のポイントは、踏み出した足のヒザはキャッチャー方向に真っすぐの状態を維持し、軸足の親指付近に力を入れて軸足の膝を内側に捻っていくことです。


軸足で地面やプレートを無理に蹴ってしまうと、上半身が前に突っ込んでしまい、腕が残ってしまうため、腕があがりにくくなります。


この体重移動の動作をスムーズに行うために、姿勢は真っ直ぐの状態を維持することもポイントです。


6 直角三角形の頂点を移動させる

tame2

踏み出した足にできる限り体重を乗せます。


すると上半身は踏み出した足のうえに来ます。ここまでできれば上半身が強い捻りを生み出します。


4〜6までの体重移動によって、踏み出した足に力を乗せることで“タメ”ができます。


この“タメ”がこの後の上半身の強い捻りを生み、加速的に腕に強い投げる力を伝えてくれます。


また、腕を上げてくる時間をつくりことができるため、横から腕が出てしまうということもなくなります。


7 肩を入れ替えて体を捻る

finish


いよいよ体の捻りに入ります。


捻りは右肩と左肩の位置が入れ替わるイメージで捻っていきます。体が捻りにくいと感じたときは、6での体重移動が不充分な状態です。


6に戻って、”もうこれ以上移動させる体重がない”という状態を作ってください。上半身の強い捻りが出てきます。



そして最後は、腕のスイングです。


ボールを持つ手の人差し指と中指の第2関節から第1関節に意識を集中させ、ボールに力を加えていきます。


リリースポイントを意識するのではなく、投げる的に向かって伸びていく直線をイメージし、その方向に対して真っすぐにボールに力を加えていきます。


腕は踏み出した足のすぐ外側を通過させ、振り切ります。上半身がしっかりと捻られているため、腕は最後まで振り切ることができます。


こちらでもより詳しく解説をしております。