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お父さんのための野球教室の桜井です。

バッティング指導で、バットにボールが当たらない子どもに対して、「ボールをよく見て打ちなさい」と声を掛けていませんか?

その指導、ちょっと待ってください。そもそも、ボールをよく見て打たない子どもがいるでしょうか?

私は、何十年も野球に携わっていますが、バッティング中によそ見をしている子どもを見たことがありません。

ボールとバット、どちらも動きのあるもの同士がぶつかり合わせるのですから、ボールをよく見て打つことは大切です。

でも、「見ていない」のと「見ることができない」のでは、指導方法も変わってきますよね。

今回は、「ボールをよく見て打つ」ための指導方法をお伝えします。



ボールを見ていないのではなく、見ることができない


はっきりと言います。

ボールを見ていない子どもはいません。なぜなら、私はそんな子どもを見たことがないから(笑)。

子どもは、目隠しをして打席に立っているわけでもなく、考えごとをしながら打席に入っているわけでもありません。

打席に入れば、投手が投げたボールを見ようとしています。

だから、「ボールをよく見て打ちなさい」と言っても、子どもの心には刺さりません。なぜなら、子どもはボールを見ようとしているからです。

心に刺さらないだけならまだ良いほうです。

まじめな子どもの場合、ボールをよく見て打つために、カッと目を見開いてまばたきもせずボールが来るのを待つでしょう。

そうなると、肩にガチガチに力が入って、スイングが余計にできなくなります。

ボールを見ていないと思う子どもに、「ボールをよく見て打ちなさい」という指導は、「ホームランを打ちなさい」、「100点を取りなさい」と指導するようなもの。

そんな指導ってないでしょ?ただの願望を伝えているだけです。


打席でボールが見えない原因はこれ!


視野角1


子どもはボールを見ていないのではなく、見ることができないのです。

その理由は、視野の角度にあります。

人間の視野範囲は左右100°と言われますが、焦点が合ってはっきりと見えるのは正面から左右35°です。

そのため、投手が投げるボールが中心視野に入っていないような構え方をしてしまうと、ボールがはっきりと見えないのです。

だからいくらボールをよく見ろと言ってもボールは見えにくく、バットでボールをとらえにくいんです。


ボールを中心視野に入れる構え方


視野角2


投手が投げたボールを中心視野に入れるためには、ボールに対して顔を正面に向ける必要があります。

少年野球のバッティングで多いのが、力が入って肩が入ってしまうので、顔を投手に向けにくくなる傾向があります。

肩はバッターボックスの線と平行にして、首を投手方向に向けるように意識をして構えてください。

元ジャイアンツの松井選手、阪神タイガースの金本選手のバッティングの構えを参考にすると中心視野を正面にすることができます。

二人の構え方には共通点があります。

ボールを待つとき投手側の肩にしっかりあごをのせます。何度も何度もしっかりと納得するまで乗せている仕草を目にします。


これは単なるクセではなく、あごを肩にのせて顔(両目)を投手とボールと正対させているんです。

目(眼球)の動く範囲は限界があります。首、顔をしっかり正面に向けて視野を大きくとりボールとの距離感を把握できるようにしてみてください。


松井選手の構え方(20秒あたりをご覧ください)



金本選手の構え方(36秒あたりをご覧ください)



あとがき


バッティングのときに、ボールが見えない、ぼんやりと見えるなど、度々監督から「ボールをよく見ろ」と言われる選手は、ぜひこの二人のバッティングの構えを真似をしてみましょう。

※内容は2017年に一部更新しています