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コーチというと技術的指導をするイメージがあります。

当然ピッチング指導をしたり、バッティング指導をすることは重要な仕事ですが、もう一つ重要な役割があると考えています。

その役割についてあるチームの指導者の方から頂いたメールをもとに考えたいと思います。

【ご質問メール】

はじめまして、楽しく拝見させていただいています。

早速ですが、子供は5年生で、リトルリーグでガンバッテいます。

数年前には、全国大会にも優勝したことのあるリーグなので、指導者陣に期待をして入団したのですが、 どうも指導者間でバラバラで、個々人のやりかたに任せるがままという状態です。

特に、監督は、まだ経験が浅い保護者監督なので、自身の子に対しては、他の子より思い入れが強くなって、 一際声だかに罵声を浴びせる様は、非常に痛々しく、あるとき、あまりに見かねて、「他の子供と同じようにみてください。」

と言ったことがありました。

その後、しばらくは、下の学年を見ていたので私達と離れていたのですが、年明けから復帰し、久しぶりに練習をしたのですが、

どうやら、以前の入れ込み過ぎ状態にもどられたようで、いかがなものか思案しています。

先日も私が外野ノックをしていたら、子供たちの態度が気に入らなかったのかはたまた私のノックが気に入らなかったのか、

「エラーした奴は、腕立て10回!」と怒鳴っていました。

「もっと楽しくやりましょうヨ!」と言って良いものなのかどうか?子供たちにも慕われているので、そのガンバリ過ぎさえ抑えられれば素晴らしい監督になれると思います。

よくいる「これが、俺のやり方だ!文句ある奴は出て行け!」みたいな調子では、せっかくわざわざ硬式野球をやっている子でも、グランドにくるのがいやになると思います。

何とか、監督の肩の力を抜かせるお知恵を拝借できないでしょうか?





【桜井回答メール】

Kさん、メールありがとうございます。

「お父さんのための野球教室」の桜井です。

ビシビシと熱血的に指導する監督、穏やかに指導する監督、理論的な監督と様々なタイプの監督さんがいます。

私も色々なタイプの監督に指導をして頂きました。

ただ最も良い監督のタイプという答えは見つかりませんし、そもそも答えなどないのであろうと思います。

そして監督といえども人間ですから、時には感情的になったり、判断を誤ったり、動揺することがあるのは当然です。

チームを強くしなければいけない、選手を伸ばしてあげたい、そういう責任感からそういう状態になってしまうこともあるでしょう。

そこで重要な役割を持つのがコーチではないでしょうか?

監督と選手の意思疎通のための架け橋となり、監督や個々の選手を孤立させない気配りが必要だと考えます。

例えば、選手が監督に怒鳴られた後、怒鳴られた選手の気分は下がってしまうでしょう。

その時にまずはその選手を孤立させないようコーチがコミュニケーションをとってフォローし、選手の言いたいことを聞いてあげて下さい。

またそこで監督の言い分も代弁してあげる必要もあります。

「君に期待しているから、監督は他の選手よりも強く怒るんだよ」

「君に怪我をして欲しくないし、もっと上手くなれると監督も言ってたよ」


という具合に。

そして仕上げは監督に上手く伝えてあげるということです。

やはり監督も人間ですから否定はあまりされたくないもの。頭ごなしに今日の指導はあり得ないということを言うと、かえって聞く耳を持たなくなることもあるでしょう。

そういう時は監督に考えさせる・感じさせることが重要です。

「今日は○○くん、怒られたあとはさすがにショックだったみたいですね。後で聞いたら少し体調がすぐれなかったみたいですよ。”監督も期待してるんだから怒るんだよ”フォローはしておきましたけど」

というように少し遠まわしになりますが選手の言い分を伝え、プラス監督の顔もたてるという具合に伝え「少し言い過ぎたかな」とかんじさせる互いのフォローをしてあげていただければと考えます。

当然理不尽な暴力を振るったり、中傷するような言動を発する監督に対してはきちんと反対を述べなければいけません。

ただ客観的にメールを読ませていただき、監督さんは子ども達に慕われている面もあったり、Kさん自身もおおよそ認められている方だと想像致します。

ですから上手く周囲にいるコーチやスタッフが立ちまわってあげるとチーム全体が良い方向へ進むのではないでしょうか?

選手同士で選手をフォローすることは出来ても、選手がなかなか監督に対して他の選手をフォローする意見は言いにくいものです。

また監督も幾度となく書きますが人間ですので、怒った時などは孤独を感じることもあると思います。

そういう時に選手・監督のフォローをし、互いの言い分を上手くそれぞれに伝えてあげることが出来るのはコーチしかいません

コーチというのは技術的な指導、チーム内での架け橋と大変な役割ではあると思いますが、全ては子どもたち選手たち、そしてチームのためにお願いしたいと思います。