
photo by baseball_000002 | Ren Saijo | Flickr
お父さんのための野球教室の桜井です。
少年野球の投げ方で、基本になるのがオーバースローのピッチングフォームですよね。
オーバースローとは腕をもっとも高く上げて振り降ろす投げ方で、加速をつけやすく球を持っている時間も長いので、球速も出やすく、体に負担の掛かりにくいフォームです。
しかし、どのように指導すれば、スピードが出て故障はしないフォームになるのか悩むことはありませんか?
そんなあなたへ、今回はピッチングでオーバースローの投げ方を指導するポイントをご紹介します。
先日、このようなご質問をいただきました。
桜井様、始めまして。
今年から、小学4年生の息子が硬式野球チームにてピッチャーを始めました。
私たちのいる地域では、年齢別に、AAA、AA、Aといった組織分けがされており、息子は、AAAのチームに所属しております。
守備は、レフト、ライト、一塁を守っており、ピッチャーとしては敗戦処理を中心に当番の機会がまわってきます。
敗戦処理として使われる理由は歴然としており、速球のスピードはないが、コントロールがあることがそれです。
恥ずかしながら、キャッチボールや遠投のときの方がスピードがあるような気がいたします。
今回、DVD(桜井イズム) を見せていただき、早速、色々フォームを修正しだいぶ、下半身の体重移動ができるようになりました。
しかし、腕の振り方とフォームのスピードがピンときません。息子の投球フォームは肘を90度にした状態から、両肩が横回転します。
しかし、上からボールを投げさせたいので、左肩(息子は右投げです)を下げ気味にして何とか上から投げるようにしております。
こうするとボールをリリースする高さが上がりますが、コントロールが定まりません。
また、投球フォームがゆっくりしている気がするので、これを早くして、スピードを上げようと試みておりますが、効果がないので、スピードには関連していないのかと思い始めております。
練習のときに、時々速い球が来るのですが、本人曰く、肘を折りたたみボールを投げる瞬間に腕を伸ばすと速い球を投げることができるとのことです。
このときに、若干オーバースローぎみなフォームとなります。
しかし、肘に負担がかからないかと心配し、肘を使う方法は進められないと思っております。
結論として、球が手を離れる直前で横方向への円軌道となっているため、スピードが乗らないのではと思っております。
どのようにしたら、理想的なオーバースローとなるのかアドバイスをいただければと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
オーバースローの作り方について解説をさせていただきます。今回のポイントは2つあります。
1つめは体を横に回転させないための土台づくり。2つめはオーバースローの形を体の感覚で覚えることです。
まず1つめの土台づくりですが、これは踏み出した足が地面に着地するのを自分で確認してから腕を振ることでつくれます。
体が横回転になる理由は、踏み出した足が地面に着地する前に腕を振ってしまうことにあります。
コンパスをイメージすると分りやすいかと思います。コンパスの鉛筆が踏み出す足です。コンパスの針を紙におき鉛筆を紙につけずに回すと簡単に回転します。
鉛筆を紙におくことで横へ回転する力を抑えることができます。ピッチングではさらに軸足から踏み出した足に向かってホームベース方向への力が加わり、さらに横回転になることを抑えてくれます。
またコンパスをイメージすると出来るだけ踏み出す足は体の近くを通って、真っすぐに踏み出すほうが体の横回転を抑えることも理解しやすいかと思います。
踏み出した足を地面に着地させてから腕を振ることが、体を縦に使えることをご理解いただけましたでしょうか?
2つめのオーバースローの形を感覚で覚えることについて。下記にオーバースローの形を記します。
この形を何度も繰り返し作ってオーバースローを感覚で覚えてください。そしてピッチングでは先ほどの土台づくりの意識とオーバースローの感覚を思い出しながら行ってみてください。
1 プレートと平行になるように軸足をおく
2 軸足のかかとからホームベース方向へ真っすぐ伸ばした直線上に踏み出す足をおく
※踏み出す足の歩幅は肩幅より少し広い程度
3 踏み出す足のつま先はホームベース方向に真っすぐか3〜5cm内側に向ける
4 3の状態のまま利き手の掌を耳の高さよりやや上の後頭部につける
5 胸を張り利き手側の肩を踏み出し足の膝の真上の位置に移動する
※軸足つま先から膝にかけ内側に回転させると体重移動し形を作りやすい
6 後頭部にあてている手を真っすぐに上に伸ばす
7 踏み出した足から利き腕が真っすぐ一本の線になることを確認する
※このときも胸を張ること
8 胸を張りながら、踏み出した足からホームベース方向への直線上を通るイメージで腕を踏み出した足の外側へ振り下ろす
※利き手側の肩が踏み出した足の膝に近づけるように振り下ろすことで縦の捻りをつくることができる
※実践のピッチングでコントロールがばらついたとき8を意識することでコントールの修正がしやすくなります
この1〜8までの形を繰り返し、オーバースローの投げ方を感覚で覚えてみてください。
感覚でと記したのは、実践では1〜8を全て頭で考えながら投げることはできないからです。反復によって体の感覚で覚えていくことが実践では必要です。
また、7と8については自分の感覚と実際の形にずれが出てきます。このずれを確認するために鏡の前で動作を行うことでよりよい形を作ることができます。
注意点は、投げていくうち踏み出す足の疲れなどから、体が踏み出す足の外側へ流れていったり軸足が踏み出す足の外側へまわったりして、体が横回転になってきます。
そのときは、外ではなく真っすぐホームベース方向へ倒れていく(流れていく)ようにアドバイスしてあげてください。

正しいオーバースローフォームの作り方について、お伝えしてきましたが、実践してみて不明な点やがあれば、サイト上部にあるお問い合わせからご連絡をいただければ幸いです。
球1つ分のコントロールが出来て球速がアップするピッチングフォームはこちらでも解説しています。
お父さんのための野球教室 桜井一
お父さんのための野球教室の桜井です。
少年野球の投げ方で、基本になるのがオーバースローのピッチングフォームですよね。
オーバースローとは腕をもっとも高く上げて振り降ろす投げ方で、加速をつけやすく球を持っている時間も長いので、球速も出やすく、体に負担の掛かりにくいフォームです。
しかし、どのように指導すれば、スピードが出て故障はしないフォームになるのか悩むことはありませんか?
そんなあなたへ、今回はピッチングでオーバースローの投げ方を指導するポイントをご紹介します。
先日、このようなご質問をいただきました。
どのように指導すれば、理想的なオーバースローのフォームになりますか?
桜井様、始めまして。
今年から、小学4年生の息子が硬式野球チームにてピッチャーを始めました。
私たちのいる地域では、年齢別に、AAA、AA、Aといった組織分けがされており、息子は、AAAのチームに所属しております。
守備は、レフト、ライト、一塁を守っており、ピッチャーとしては敗戦処理を中心に当番の機会がまわってきます。
敗戦処理として使われる理由は歴然としており、速球のスピードはないが、コントロールがあることがそれです。
恥ずかしながら、キャッチボールや遠投のときの方がスピードがあるような気がいたします。
今回、DVD(桜井イズム) を見せていただき、早速、色々フォームを修正しだいぶ、下半身の体重移動ができるようになりました。
しかし、腕の振り方とフォームのスピードがピンときません。息子の投球フォームは肘を90度にした状態から、両肩が横回転します。
しかし、上からボールを投げさせたいので、左肩(息子は右投げです)を下げ気味にして何とか上から投げるようにしております。
こうするとボールをリリースする高さが上がりますが、コントロールが定まりません。
また、投球フォームがゆっくりしている気がするので、これを早くして、スピードを上げようと試みておりますが、効果がないので、スピードには関連していないのかと思い始めております。
練習のときに、時々速い球が来るのですが、本人曰く、肘を折りたたみボールを投げる瞬間に腕を伸ばすと速い球を投げることができるとのことです。
このときに、若干オーバースローぎみなフォームとなります。
しかし、肘に負担がかからないかと心配し、肘を使う方法は進められないと思っております。
結論として、球が手を離れる直前で横方向への円軌道となっているため、スピードが乗らないのではと思っております。
どのようにしたら、理想的なオーバースローとなるのかアドバイスをいただければと思います。
以上、よろしくお願いいたします。
A:オーバースローの作り方の2つのポイントを解説します
オーバースローの作り方について解説をさせていただきます。今回のポイントは2つあります。
1つめは体を横に回転させないための土台づくり。2つめはオーバースローの形を体の感覚で覚えることです。
体を横に回転させないための土台をつくる
まず1つめの土台づくりですが、これは踏み出した足が地面に着地するのを自分で確認してから腕を振ることでつくれます。
体が横回転になる理由は、踏み出した足が地面に着地する前に腕を振ってしまうことにあります。
コンパスをイメージすると分りやすいかと思います。コンパスの鉛筆が踏み出す足です。コンパスの針を紙におき鉛筆を紙につけずに回すと簡単に回転します。
鉛筆を紙におくことで横へ回転する力を抑えることができます。ピッチングではさらに軸足から踏み出した足に向かってホームベース方向への力が加わり、さらに横回転になることを抑えてくれます。
またコンパスをイメージすると出来るだけ踏み出す足は体の近くを通って、真っすぐに踏み出すほうが体の横回転を抑えることも理解しやすいかと思います。
踏み出した足を地面に着地させてから腕を振ることが、体を縦に使えることをご理解いただけましたでしょうか?
オーバースローの形を感覚で覚える
2つめのオーバースローの形を感覚で覚えることについて。下記にオーバースローの形を記します。
この形を何度も繰り返し作ってオーバースローを感覚で覚えてください。そしてピッチングでは先ほどの土台づくりの意識とオーバースローの感覚を思い出しながら行ってみてください。
1 プレートと平行になるように軸足をおく
2 軸足のかかとからホームベース方向へ真っすぐ伸ばした直線上に踏み出す足をおく
※踏み出す足の歩幅は肩幅より少し広い程度
3 踏み出す足のつま先はホームベース方向に真っすぐか3〜5cm内側に向ける
4 3の状態のまま利き手の掌を耳の高さよりやや上の後頭部につける
5 胸を張り利き手側の肩を踏み出し足の膝の真上の位置に移動する
※軸足つま先から膝にかけ内側に回転させると体重移動し形を作りやすい
6 後頭部にあてている手を真っすぐに上に伸ばす
7 踏み出した足から利き腕が真っすぐ一本の線になることを確認する
※このときも胸を張ること
8 胸を張りながら、踏み出した足からホームベース方向への直線上を通るイメージで腕を踏み出した足の外側へ振り下ろす
※利き手側の肩が踏み出した足の膝に近づけるように振り下ろすことで縦の捻りをつくることができる
※実践のピッチングでコントロールがばらついたとき8を意識することでコントールの修正がしやすくなります
この1〜8までの形を繰り返し、オーバースローの投げ方を感覚で覚えてみてください。
感覚でと記したのは、実践では1〜8を全て頭で考えながら投げることはできないからです。反復によって体の感覚で覚えていくことが実践では必要です。
また、7と8については自分の感覚と実際の形にずれが出てきます。このずれを確認するために鏡の前で動作を行うことでよりよい形を作ることができます。
注意点は、投げていくうち踏み出す足の疲れなどから、体が踏み出す足の外側へ流れていったり軸足が踏み出す足の外側へまわったりして、体が横回転になってきます。
そのときは、外ではなく真っすぐホームベース方向へ倒れていく(流れていく)ようにアドバイスしてあげてください。
まとめ

正しいオーバースローフォームの作り方について、お伝えしてきましたが、実践してみて不明な点やがあれば、サイト上部にあるお問い合わせからご連絡をいただければ幸いです。
球1つ分のコントロールが出来て球速がアップするピッチングフォームはこちらでも解説しています。
お父さんのための野球教室 桜井一