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恋の相談ではありません。ピッチングを安定させるための考え方をご紹介します。
【ご質問メール】

桜井様

この度(とは言っても3ヶ月前ですが・・・)、DVD購入したNです。お父さん達の様々なお悩みに毎度毎度適格な回答が大変勉強になっています。

そこで、大変些細疑問なことなんですが、確認したく質問メールをさせてもらいました。私の息子は、現在5年生で、大変ありがたいことにピッチャーをさせてもらっています。

野球をやり出して、1年程度過ぎた頃(4年生の10月)から、練習試合中に突然監督から「お前、ピッチャーやれ!」から現在(約1年)に至っています。

投げ出した当初の息子に対する監督の指導方法は、「スピードよりコントロール!」だったんですが、最近は「絶対打たれないぞと思いながら思い切って投げろ!」になっています。

現在の息子のタイプ(スタイル)としては、「ある程度のコントロールを持ち、打たせてアウトを取る」タイプで、無難な結果を出していたんですが、

ここにきて、監督指導方法の変更により「打たせるもんかっ!」という意識に変わり、その結果四死球の数が異常に多くなり、試合結果もボロボロになってしまって親としても目を覆いたく周りの方にも申し訳ない心境です。

本人は、監督の指示だからと言いつつ、思いっきり投げることでコントロールの悪化に悩んでいます。

そこで、質問ですが、本当にこのままのスタイル(四死球を恐れずに思い切り投げる)でいいのかどうかお伺いします。

また、桜井さんのDVDを観賞して、下半身の大切さは理解したんですが、思い切り投げるときは制球力(コントロール)が非常にバラツてしまうんですが・・・。

大した質問でもないんですが・・・。今後ともよろしくお願いします。



【桜井の回答】

Nさん

メールありがとうございます。お父さんのための野球教室の桜井です。

監督さんの言葉って重いですよね。その言葉1つで良くも悪くもプレーが変わってしまうことはよくあります。

ただ私は、今息子さんはとっても貴重な経験を積んでいると思います。

私も四死球が止まらなく、泣きながら投げたことは何度もあります。社会人やプロで投げているピッチャーのほとんどはこういう経験を繰り返しています。

その経験を繰り返すうちに、技術的な面もそうですが、自分自身の気持ちとどう向き合っていくか、どういう気持ちでのぞめば良いか、という自身の気持ちのコントロールの仕方を学んでいきます。

息子さんと同じ経験をもつ私からの2つのアドバイスをさせていただきます。

まず一つ目のステップです。

「絶対に打たれないぞ」という意識は「打たれてはいけない」という意識に結び付いてしまいます。イメージ・意識・気持ちを持つときに、大切なことは肯定する言葉を選ぶということです。

「廊下を走ってはいけません」「小さい子どもをいじめてはいけません」など「〜してはいけない」という言葉を使うと、廊下を走るイメージ、小さい子どもをいじめている映像やイメージが頭の中に浮かんでしまいます。

同じく野球でも、打たれてはいけないと思った時点で私たちは打たれるイメージが頭の中に浮かんでしまうんです。

それを打ち消すために、さらに強く「打たせない、絶対に打たせたくない、打たれたくない」と考えることで、もっと強いイメージを持ってしまうことになります。

そうすると体に力が入り自分の思うとおりに体が動いてくれないということになってしまいます。

ですから、まずは「この打者を打ち取る」というように肯定の言葉を選んでピッチングに臨むよう意識してみてください。


二つ目のステップです。

小学生のあいだで理解することは少しむずかしいかもしれませんが、他の選手よりも一歩進んだメンタル強化として取り組んでいただきたいことがあります。

唐突ですが、好きな女の子を想像してみてください。

どうしてもこの女の子に自分のことを好きになってもらいたいと思っています。そんなとき色々な作戦をたてるはずです。

例えば、まずは挨拶をしてみる。それをきっかけにデートに誘って、彼女と親しくなって、自分という人間を知ってもらい気持ちを伝えます。

そしてあれこれと考えられる全ての手をつくし最終の彼女の答えを待つわけです。

ここで考えていただきたいことは、彼女に好きになってもらうための行動は自分で出来ることですが、彼女の答えは自分にはどうすることもできないんです。

これは野球でも同じで打者を打ち捕るために、スピードボール、キレのある変化球、コントロール、配球は自分の努力でレベルアップさせることができます。

しかし打者がそのボールを打つのか、空振りするのかということは自分にはどうすることもできないということなんです。

自分でどうすることもできないことに「どうしよう」と不安に思ってもどうにもならないんですね。

ですから、自分ができること、つまりキャッチャーミットめがけて良い球を投げることだけに意識を集中しましょう。

出来ることはキャッチャーミットに集中すること

これをマウンドで自分に言い聞かせながら投げてみてください。


お父さんのための野球教室桜井一

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【お返事をいただきました】

質問をさせて頂きました「N」です。

丁寧なご回答並びにアドバイスありがとうございました。返信が大変遅れましたことを心からお詫び申し上げます。

ところで、「否定的ではなく肯定的」「相手のことはどしようもないからキャッチャーのミットめがけて投げる」ということは、大変勉強になりました。

子供の監督も「強い心を持ってプレーをするように」というこをよく使われますが、それに似た心の持ちようの大切さが改めて確認できました。

同じ意味だけど、否定的と肯定的な表現では当然受け止め方が違って来るんですよね!目から鱗状態でした。

このアドバイスをしっかり受け止めましたので、子供へ活用するだけではなく、自分自身の教訓としても活用していきたいと思いました。

ありがとうございました。


Nさん
このようなお返事いただくと本当に嬉しく、また頑張ろうという気持ちでいっぱいです。ありがとうございます。