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お父さんのための野球教室の桜井です。

先日こんなご質問をいただきました。

Q:息子の球速がない…どうしたらいいか?


今年の4月で5年生になる息子がいます。成長したらついてくるのでしょうか?

ピッチャーの練習をさせたいが、チーム内で3番手以降の扱いをされるので、残念ながら、練習の中でピッチャーとして投げる機会が、時々しかありません。

投げ込みが、練習の中で、できません。


A:正しい動作の習得と、質の高い投球機会を持つことで球速はアップします


体と筋力の成長にともなってボールの球速はアップします。

しかし、それが緩やかなのか、飛躍的に伸びるのかは、小学生の時期に動作(体の正しい使い方)を覚え、質の高い投球機会を積むことが成長のキーポイントなんです。


エンジンが良くてもアクセルを踏まないと意味がない


ここでの正しい体の使い方とは、自分イメージした通りに力を発揮(力が入る)ことを指します。

例えば、遠投50mを投げる子が二人います。

一人は70mを投げられそうだけど50mの距離を投げた選手。

もうひとりは自分が持っているだけの力を出し切って50mの距離を投げた選手。

どちらが球速アップの伸びしろ(将来性)を感じるでしょうか?ほとんどの人が70mを投げられそうな選手のほうが球速がアップしそうだと思います。

70mを投げられそうだから当たり前ですよね。

でも中学・高校・大学にかけて球速アップする子は圧倒的に力を出し切って50mを投げた選手の方です。

その違いは「自分が持っているだけの力を出し切れるかどうか」

球に強い力を与える力の出し方(体の使い方)を覚えていれば、筋力の成長にともなって球速がアップしていきます。

アクセルの踏み方がわかっているから、性能の良いエンジンを搭載したときに、エンジンの性能をフルに活かすことができるんですね。

逆に体の使い方がわからない(効率的ではない)選手は、いくら筋力をつけても球速はアップしません。

良いエンジンを積んでいても、アクセルの踏み方がわからないのでスピードが出ないのと同じです。

なので、小学生の時期は見た目の球速ではなく、持っている力を出し切る(アクセルを踏む)ことを意識して投げて欲しいです。


課題1.動作の順序を守って力を出し切る


力を出し切るために最も重要なのが、3つの動作の順序を守って投げること。

1.足を上げて
2.踏み出して地面に着地する
3.腕を振る


3つの動作を順序どおりすることは投げることの基本の中の基本です。

踏み出した足が地面に着地してから腕を振ることができていれば、少々バランスを崩しても、持ち直して腕を振り切ることができるので、コントロールも一定の枠の中で安定します。


課題2.質の高い投球機会を増やす


小学生時期で試合の登板機会が少ないことは、長い目で見れば上達にそれほど影響はありません

高校から野球を始めてプロ野球選手になっている人もいるんですから、小学生の時期に試合に出ていないからと言って将来は上達しない(球速アップしない)ということはあり得ないんです。

いくら試合で投げても、それが正しい体の使い方でなければ意味はありません。

それよりも練習の中で、質の高い投球を1球でも多く投げることのほうが将来の球速アップに間違いなくつながります。

なので、小学生の時期は、体のどこかに痛みや違和感がなければ、動作の正しい順序を守ってどんどん投げてください。

ただ誤解をして欲しくないのは、強制してたくさんの球数を投げさせるのではなく、子どもが自発的に投げることが大切です。

楽しい!と感じながら投げる数を増やしていくことが重要です。

楽しければ自然に球数も増えますよね。だから子どもが楽しく投げることができる状況を私たち大人が作ってあげることが大切です。


課題克服の手引き:評価されると楽しくなる


キャッチボールでは1球ごとに評価を伝えてあげることが大切です。ただ褒めるだけはだめ。叱るのはもっとだめ。

子どもが欲しているのは評価なんです。良いのか悪いのかを評価をしてもらいたいんです。

「野球経験が無いから評価できない」ということは決してありません。あなたが感じたままで良いんですよ。

「今のはすごく速いボールだったよ」とか「今のボールは少し弱かったね」ということだけで充分なんです。

子どもは私たちは思っているよりも自分で上手くなっていくものです。

評価をされると必ず投げることが楽しくなります。良い評価があればもっと評価されたいと思います。ダメな評価はもっと頑張ろうという気持ちになります。

評価をしてあげることこそ、こどもが楽しく投げるための最大の栄養なんです。


課題克服の手引き:こどもの球速が自然にアップする「壁当て」


壁当ては自分で考える力を伸ばします。

的を決め(Plan)
投げてみて(Do)
反省(Check)
改善する(Action)


という、いわゆるPDCAサイクルが自然に回るのが壁当てです。

壁当ては、相手に気を遣うこともないので、思い切ってやりたいことを試すことができるんです。

自分で考えたことの結果が良くも悪くもすぐに返ってくることは楽しいものです。

壁当てのできる環境が少なくなっていますが、近所に壁があれば出来るだけ壁当てで練習をして欲しいと思っています。

壁当てを行う場合も、体の使い方をきちんと意識し、質の高い投球機会を増やしていけば、ただ試合で投げるよりも将来のいっきに球速アップするための基礎が積み上げられていきます。


まとめ


球速をアップさせるために、小学生のうちに取り組むべき課題について解説してきました。

技術指導も大切なことですが、子どもが自ら上達していくための環境を作ることも私たち大人の役割です。

特に一人で壁当てができるような環境づくりはむずかしいこともあります。

そんなときはキャッチボールでよりたくさんの会話をして評価してあげてください。