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お父さんのための野球教室の桜井です。

小学生の野球指導者の方や、野球をする子どもの保護者の方で、子どものモチベーションをどのようにして上げれば良いか頭を悩ませている方は多いのではないでしょうか?

野球を上達させるには、基礎体力や技術の練習が必要ですが、それらの土台となるのが子どものモチベーションです。

今回は子どものモチベーションの必要性モチベーションを高める方法を紹介します。


野球(練習)をやりたいと思える何かが必要


「モチベーション」を検索してみると、以下のような意味があります。

モチベーションとは、人が行動を起こすときの原因、すなわち動機を意味する。組織の中では仕事への意欲を指し、意欲を持つことや引きだすことを動機づけと呼んでいる。

出典:コトバンク

野球に置き換えると、「野球(練習)をやりたいと思える何か」がモチベーションということです。

また「練習をやりたいと思える何か」を与えて、やる気を引き出すことを「動機づけ」と呼びます。

動機づけには「外発的動機づけ」「内発的動機づけ」の二種類があります。

外発的動機づけは、わかりやすく言うと「良かったらご褒美をあげるけど、駄目だったら罰を与えるからね」というものです。

「試合に勝ったらニンテンドースイッチを買ってあげるけど、試合に負けたらお小遣いはなしね」という感じです。

一見するとモチベーションにつながりそうですが、外発的動機付けを繰り返していると、「何のために野球をやっているんだろう」という気持ちが芽生えて、次第にモチベーションは下がります。

だから、私たち大人は子どもに対して、あまり外発的動機づけをやってはいけないんです。


経験値が低いと自分では動機づけしにくい


私たちがやるべきことは、もうひとつの「内発的動機付け」です。

みなさんにも経験はないでしょうか?

別に誰にも褒められることもなく、何かご褒美を貰えるわけでもないことに「のめり込んだ」経験です。

幼い頃で言えば、何度もこけながら自転車に乗る練習をしたこと。むずかしいプラモデルを作ったり、工作を作ったり、絵を描いたりしたことなど。

「できるようになること」の楽しさとか嬉しさを求めて行動を起こさせるのが「内発的動機付け」です。

ある程度の年齢になれば、「できるようになること」の楽しさや嬉しさを経験しているので、自分で動機付けを行うこともできます。

しかし小学生の時期では、できることの楽しさや嬉しさも未経験なことが多いと思います。

例えば、わが家では外食をするときに子どもたちに「何が食べたい?」と聞くと、答えはいつも決まって「スシローか焼肉」の2つです。

「スシローも焼肉もこの間行ったばかりでしょ?」と言うのですが、よくよく考えてみると「スシローと焼肉」以外はあまり連れて行っていないんです。

子どもたちからすれば「スシローと焼肉」以外を経験していないので、わからないんですよね。

なので反省して、焼き鳥に連れて行ったのですが……。

話しを戻すと、特に小学生の場合は「できるようになること」の楽しさや嬉しさの経験値が低いんです。

指導者や保護者は子どもたちが内発的動機づけをできるように、そっと背中を押してあげることが必要です。


モチベーションが上がると自ら工夫して上達する


モチベーションが無いよりも、あったほうが良いのはなんとなく理解できます。

でもモチベーションが有るのと無いのとでは、一体どのくらいの違いがあるのでしょうか。

モチベーションがあると必ず「工夫」をするようになります。「どうすればもっと上手くなるのか?」という気持ちがあるからです。

もちろん工夫しても失敗することもありますが、失敗をすると「なぜ失敗したのか?」ということも考えます。

それを繰り返していけば上手くなるのは当然で、上手くなれば「もっと上手くなりたい」という欲求が高まるので、とても良いサイクルが回り始めます。

いっぽうでモチベーションのない子どもは、自ら工夫することはありません。

工夫をしないと結果が出ないので、さらに面白くなくなって意欲は薄れてしまいます。

この差はとても大きいですよね。


内的動機付けに有効なモチベーションビデオ


アスリートのモチベーションを高めるために、ここ数年で注目を浴びているのがモチベーションビデオです。

モチベーションビデオとは、練習や試合に対して選手のやる気を高めるために、選手の良いプレーの映像や気持ちが高まる音楽を使って編集されたビデオのことを言います。

様々な競技のアマチュアから、何億も稼ぐプロの選手までもが試合前や練習前にモチベーションビデオを導入しています。

特に大金を稼ぐプロの選手はモチベーションを維持することがむずかしいと言われていて、モチベーションビデオが内発的動機づけに大いに役立っているようです。

モチベーションビデオを知っていただくのに、2017年WBC侍ジャパンのモチベーションビデオを見ていただきたいと思います。




これを見るだけでも胸が熱くなって、モチベーションが高まってきませんか?

様々なスポーツの研究でモチベーションビデオがモチベーションを高めるのに有効であると報告されています。

あるサッカーチームで行った実験結果では、モチベーションビデオを見た試合の勝率は86%で、見なかった試合の勝率が40%だったそうです。

勝敗の要素はモチベーションだけではありませんが、モチベーションも勝因のひとつになっているのではないでしょうか。

ただしモチベーションビデオにも弱点があります。それは一時的であるということ。

モチベーションビデオを一度見たからと言って、ずっと野球に対して意欲が湧き続けるわけではありません。

しかし、もともと意欲の高い子どもでもモチベーションに波はあります。その波が大きいかどうか、周期が早いかどうかの違いです。

なので、モチベーションが低いときにモチベーションビデオを活用して、子どもの内発的動機づけを後押ししてあげる方法が効果的です。

またモチベーションビデオには個人の内発的動機付けだけでなく、チームの団結を強くするという効果もあります。

練習前や試合の前にチーム全員でモチベーションビデオを視聴することは、チームワークの質と子ども達の士気を高めるうえでとても有効な方法です。


モチベーションビデオの作り方


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モチベーションビデオは、ただ子どもたちがプレーしている映像に曲をつけておけば良いというものでもありません。

子ども達がより内発的動機づけをしやすくなるモチベーションビデオの作り方におけるポイントを説明します。


モチベーションビデオの時間


モチベーションビデオの時間は短か過ぎて長過ぎてもモチベーションが高まりにくいです。

先ほどの侍ジャパンのモチベーションビデの時間は5分11秒ですが、3分〜5分程度が良いです。


モチベーションビデオに使う映像


侍ジャパンのモチベーションビデオでも私はモチベーションが上がりましたが、より効果が高くなるのが自分のチームの映像です。

子ども本人だけでなく、チームメイト応援している保護者の映像を使うことによってモチベーションを高めます。

子ども個人のプレーだけでなく、チームメイトや保護者の映像が入っているほうがチームワークの大切さや尊さを感じられて、士気が高まるんです。


モチベーションビデオに使う映像シーン


子どもやヒットを打つシーン、ファインプレーのシーンも良いのですが、「チームで戦っている」と感じられるシーンも盛り込んでください。


・円陣を組んで声を出しているシーン
・中継プレーにより本塁で走者をアウトにするシーン
・ベンチで声を枯らして応援する子どものシーン
・ランナーコーチの子どもが腕を回して走者に指示するシーン
・保護者が応援したり喜んだりしているシーン
・監督やコーチと子どもが話すシーン
・マウンドに子どもたちが集まるシーン



このような野球のチーム性を感じる熱いシーンを使うことで、内発的動機づけになるだけでなく、チームの団結や士気が高まるモチベーションビデオになります。


モチベーションビデオに使う言葉


モチベーションビデオに挿入する「言葉」も子ども達のモチベーションを高めるために重要です。

ただし小学生に使うモチベーションビデオなので、むずかしい言葉はあまり意味がありません。

短くシンプルで小学生がわかりやすい言葉を用いる方が感動をよびます。

神奈川県立体育センターの研究報告書では、モチベーションビデオに挿入する言葉は「ペップトーク」を取り入れています。

ペップトークのペップ(Pep)には、元気や活気という意味があって、試合前のミーティングで監督やコーチが選手を元気づけるために行うスピーチがペップトークです。

神奈川県立体育センターの研究報告書によると、ペップトークには7つの工程があって、起承転結を入れてまとめることができます。

例えばサクッと私が考えたのはこんな内容です。


1.序章「今日までよく頑張った!」
2.事例「相手は投手力のあるチームだ!」
3.暗示「俺たちの打撃を見せてやろう!」
4.教訓「俺たちは速い球が得意だ!」
5.行動指針「完璧に守り攻撃の勢いを作ろう」
6.先導「俺たちらしく好球必打だ!」
7.送り出し「さあいくぞ!」



ペップトークは試合前に子どもを励ますミーティングでも役立ちますね。

このような感じのシンプルでわかりやすく力強いメッセージを挿入してみてください。


モチベーションビデオに使う音楽や曲


音楽や曲はモチベーションビデオにおいてモチベーションを高めるのにとても重要な要素です。

こんな点に注意して音楽や曲を選んでみてください。


・J-POPは歌詞に意識が向きやすいので注意が必要
・抑揚のある(サビが強い)音楽が向いている
・印象の強い音楽などは避けたい
(例:タイタニックMY HEART WILL GO ON)



子ども達が好きな曲でも良いですし、熱闘甲子園の応援ソングも参考になりますね。

ウィキペディアで熱闘甲子園の歴代曲が掲載されていたので参考にリンクを貼っておきますね。

Wikipedia熱闘甲子園はこちら


参考:ビデオ編集アプリ4選


一昔前ならクオリティの高い動画を製作するのには数万円もするソフトを購入する必要がありましたが、最近はスマホアプリでもプロ級の動画を作れるようになっています。

VivaVideo:世界中に広がるユーザーは3億人以上
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Magisto:知識が無くてもプロ並みのクオリティ
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VideoShow:ダウンロード数が多く、効果音など編集ツールが多彩です。
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PowerDirector:操作が簡単ですごく使いやすいですがGooglePlayのみです
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まとめ


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野球をする子どものモチベーションについての理解を深め、モチベーションを高める方法を紹介してきました。

モチベーションにも外発的動機付け内発的動機付けの2つがありました。

私たちは子どもの「できるようになることの楽しさや嬉しさ」である内発的動機付けをサポートするように工夫をしてあげる必要があります。

「やる気を出せよ」と言っても、まだ成功体験の少ない小学生は「やる気を出した後に感じる喜び」を知らないことが多いんです。

経験は経験することでしか得られないものですから、今回紹介したようなモチベーションビデオも上手く活用して、人生で最初の内発的動機付けを促してあげてください。

「野球経験がなくて指導できない」という方も、このような方法で子どもの野球に対するモチベーションを上げることはできます。

野球の技術を教えることだけが子どものモチベーションを高める方法ではありません。

毎回の練習や試合でモチベーションビデオを準備するのは手間が掛かるかもしれません。

スマホアプリでビデオ制作の時短と効率化をしながら、モチベーションが落ちてきた時にタイミングよく子ども達に見せてあげるのが効果的です。

あなたにしかできないこと。

あなただからできること。

さああなたの出番です。



参考:神奈川県立体育センター研究報告書
「選手のモチベーションアップに関する研究」〜選手の心に響くモチベーションビデオの作製方法及び作製のためのフレームの開発と提供〜
URL:http://www.pref.kanagawa.jp/uploaded/attachment/710507.pdf