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お父さんのための野球教室の桜井です。

子どもに対してあれこれと口を出して、子どものモチベーションを下げてしまうことはよくありますよね。

子どもの野球の上達や成長を願う気持ちから、ついつい口癖のように「〇〇しなさい」と言ってしまいます。

今回は、そんな口癖を子どものやる気に変える方法をご提案します。

先日このようなメールをいただきました。


Q:子どもの野球を上達させる家庭での指導法とは?


こんにちは。今年3年生になり夏前に野球を始めた子の母です。

お父さんのための野球教室のメルマガを読ませて頂き、桜井一さんの投球フォーム完全マスター教材を購入させて頂きました。

まだ教材は届いていませんが、PDFのマスターテキストを頂いたので、息子と2人で練習してみました。

私の教え方のせいだと思うのですが、息子はどうしてもやらされてる感を感じてしまうみたいで、普段は自由に投げて遊んでいる息子も、私と練習となると、途端にモチベーションが下がるみたいなのです。

もともと、自分で考えて行動できるしっかりした子なので、ダメ出しされたり、強要されたりするのが苦手なのかも知れません。

監督やコーチのいうことは素直に聞くのですが、野球未経験の母のいうことと、あまり信用がないのかも知れません。

(中略)

家であれこれ指示されては、せっかく楽しい練習自体が嫌いになってしまうのではないかと思ったりで、やっぱり練習はプロに任せてスクールに通うことも考えています。

アドバイスよろしくお願いします。


A:楽しく投げさせることを最優先に考える


私の経験則ですが、楽しく投げている子どもは必ず上達します。なぜなら、楽しく投げる選手はプレーを改善するサイクルを回すからです。

プレーを改善するサイクルとは、こんなサイクルです。

発想する(Plan)→実行する(Do)→確認する(Check)→改善(Action)

このサイクルはPDCAサイクルとよばれ、もともと製品の品質管理などの業務改善を持続させるための手法です。

製品をピッチングやバッティングに置き換かえれば、品質(技術)を改善して上達するための手法として活用できます。

では、なぜ楽しく投げる選手はプレーを改善するサイクルを回して上達できるのでしょうか?

理由は楽しく投げる子どもの気持ちを考えてみるとすぐに理解できます。

子どもが楽しいと思う理由は、例えばこのようなものがあります。

「速い球を投げることができた」

「遠くまで投げることができた」

「狙った所にコントロールできた」

「指先に力が掛かって強い球になった」

楽しいことには興味がどんどん湧くものです。興味が湧いた子どもの頭の中に、次に浮かんでくるのがこんなことです。

「もっと速い球を投げるにはどうするか?」

「コントロール良くするにはどうするか?」

楽しいこと、興味のあることは、色んな投げ方や動きを試したくなるんです。

こうなるとプレーを改善するサイクルの動きは軽やかです。

自転車と同じで、こぎ始めはペダルが重たいかもしれませんが、動き始めるとどんどん回転が速くなっていきます。

楽しく投げる(練習する)ことは、ペダルを漕ぐ力。つまり野球を上達させる原動力なんです。


子どもの練習を干渉し過ぎるとプレーを改善するサイクルは止まる


プレーを改善するサイクルが回り始めると、成功することはもちろん、失敗することも楽しめるようになります。

なぜなら「なぜうまくできなかったのか?」を考えて改善に導けば、達成感や理解の深まりを得られるからです。

ところが横から「こうやって投げなさい」と言われると、子どものモチベーションは下がってしまいます。

車の運転中にあれこれと言われて集中できないのと同じですね……。「ちゃんとやってるよ。色々言われると運転に集中できないんだよな」っていう感じです。

子どもによっては、人から言われたことでは、経験値やノウハウが得られないといった気持ちもあるかもしれません。

投げるのが楽しくなければ思考が止まります。言われたとおりに体を動かすことが目的になるからです。

思考が止まると、プレーを改善するサイクルは回りません。

その結果、パフォーマンスの低下や間違った投げ方を繰り返すことにもつながります


子どもが目指す結果を想像できるアドバイスをする


ただし、正しいフォームなんだろうか?手投げにならないだろうか?という心配をされるのもわかります。

そこで息子さんへの伝え方を変えてみてください。例えば、こんな伝え方です。

Before:「こういうフォームで投げなさい」
After:「こういうフォームで投げるとコントロールが良くなるよ」。

Before:「肘を高くあげなさい」
After:「肘を上げると投げやすくなるよ」

Before:「そんなことをしていたら試合に出れない」
After:「こうしたら試合に出ることができる」

Before:「勉強しなさい」
After:「勉強が終わったらおやつにしよう」

Before:「40点しか取れないの?」
After:「あと60点取れば100点だね」


最後の2つはみなさんと同じ親でもある私自身の戒めでもありますが(汗)

「正しいフォームで投げなさい」と言われると、自分で考える楽しさが奪われて窮屈さを感じやすいです。

ですが、子どもが望む結果(メリット)を伝えることで、子どもは耳を傾けやすくなります。

子どもは「自分で考えて試したい」という気持ち「上手くなりたい」という気持ちの2つがあります。

そこで、上手くなりたいと思う気持ちに対しメリットを提案することで、お母さんの言葉を受け入れやすくなるんです。


お母さんからお返事をいただきました


桜井さまのお返事を読んで、答えを与えるだけじゃダメなんだ!とハッとさせられました。

上手くなることだけじゃなく、自分で考え、試し、失敗してもまた自分で考えて答えをみつけていく、この作業が大事だということがわかりました。

これは野球だけのことではなく、勉強や普段の生活でも言えることですね。質問して本当に良かったです。

息子が楽しく野球をしていることが息子が上達する上で大事だということを頭において、一緒に楽しく練習できるように工夫してみます。

それから、体重移動のことも詳しく教えて頂きありがとうございます。この基本の動作がしっかりできるように、DVDが届きましたら私も主人もDVDをみて勉強するつもりです。

私は野球のことは全く詳しくないのですが、DVDをみて少しでも主人と息子の話について行けるようになればな〜と思っています。


まとめ


子どもでも大人でも「楽しい」と感じるのは、主体的に取り組んでいるモノやコトですよね。

もしお子さんが楽しいと感じながら野球の練習に取り組んでいるのであれば、まずはお子さんの「楽しい」を最優先に考えてください。

そうすればプレーを改善するサイクルが回り続けて必ず上達します。

アドバイスが必要なときは、子どもが望む結果を付け加えることで、プレーを改善するサイクルの速度を落とさず、子どもは耳を傾けてくれるものです。