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お父さんのための野球教室の桜井です。

あなたのお子さんは、緊張して試合でこんなことになっていませんか?

  • 練習で上手くできるのに、試合では緊張して実力を出し切れない

  • 緊張で、ピッチャーをしてもストライクが入らない

  • 緊張で、打席ではバットを振ることができない

  • 緊張で、守備ではポロポロとエラーをする

  • 緊張が原因で失敗して監督から怒られ、怒られたことでまた緊張する


そんなあなたのお子さまが、緊張を力に変えて最高のパフォーマンスを発揮できる方法をあなたにお伝えします。

「緊張」についての理解を深めておけば、過剰に緊張をすることなく、緊張に支配された心が解き放たれて、どんな場面でも堂々とプレイすることができるんです。


なぜ、緊張は起こるのか?


ギャップ緊張


緊張は、ありたい姿(願望)と予測する結果のギャップによって生まれます。

例えば、絶対に勝ちたい試合前に、「負けたらどうしよう…」と考えてしまうことがあります。

「勝ちたい」という願望に対し、「負ける」という予測を立てることで、大きなギャップが生じて緊張が起こります。

同じように、バッターなら打席で「打ちたい」という願望に対して、「打てなかったらどうしよう」という予測を立ててしまう。

ピッチャーなら「ストライクを取りたい」という願望に対し、「打たれたら…ストライクが入らなかったら…どうしよう」と予測を立ててしまう。

守備なら「上手く捕りたい」という願望に対して、「エラーしたらどうしよう…」と予測を立ててしまう。

このようなギャップが生まれる理由は、監督や保護者、チームメイトなどの外的な要因が1つ。

もう一つは、「〇〇しなければならない」という気持ちが強い子ども、「他者からどう見られるか」というお子さま自身の内的な要因があります。


実は、緊張とはパフォーマンス高めるためのスイッチ


願望と予測がつくり出すギャップによって緊張が生まれると……

呼吸が早くなって、筋肉が硬くなり、心臓の鼓動がドクドクと大きくなって、手や足が震えます。

体に表れる変化が、プレイパフォーマンスを低下させる要素になりますが……

実は、これらの変化はパフォーマンスを高めるスイッチになるんです。


呼吸が早くなる理由:脳に酸素をたくさん取り入れ思考をはたらかせるため

筋肉が硬くなる理由:身体を保護するため

ドキドキする理由:全身に血液を送り身体を動かそうとするため

手や足が震える理由:自律神経の交感神経(興奮・アドレナリンの分泌)が優位になるため


緊張は体に変化をもたらします。体の変化は「戦うための準備を整えている」状態

つまり、緊張は戦闘機のパイロットが離陸前にスイッチをパチパチと入れている状態、戦闘準備の作業なんです。

だから、「緊張 = 弱いのではなく、戦うために必要なメンタル」なんです。


緊張しない方法はない!緊張していることを受け入れる


「じゃあ、緊張した状態でプレイすれば良い結果が出る!」と思いましたか?もしそうなら、あなたは緊張しているのかもしれません。

気持ちを落ち着かせる必要がありますね(笑)。

緊張は願望と予測のギャップを埋める作業の途中段階。

ギャップを埋め終えて、心と体をプレイできる状態に落ち着かせる必要があります。

そのためには、緊張している自分を受け入れるということが大切です。

緊張を受け入れるためには……

  • 緊張は、誰にでも起こるものと考える(プロ野球選手も緊張する)

  • 緊張は、なくてはならないものと考える(パワーアップしている途中)

  • 緊張してきたことを喜ぶ


緊張は、ドラゴンボールに例えると、スーパーサイヤ人になっている途中です。緊張すればパフォーマンスが高まる身体にレベルアップしているんです。

だから、緊張してきたからどうしようと思うのではなく、「おっ、緊張してきたぞ、身体の機能が高まっているぞ」と喜んでください、心から。

そうすると、願望と予測のギャップは埋まって不安は消え、願望だけが心を支配することになるので、落ち着いた状態になります。


自分がコントロールできるものとできないものをわけて考える


過度に緊張してしまう子どもの多くは、自分でコントロールできないことに対して不安を持ってしまう傾向にあります。

例えば、審判の判定。自分でコントロールできますか?できませんよね。天候はどうでしょう?あなたが雨を降らせたりやませたりすることはできません。

ピッチャーなら、打者がヒットを打つかどうかもピッチャーがコントロールなんて、できないんです。なぜなら打者がバットを振るかどうかは、打者が決めるからです。

相手チームの野次、監督の評価、味方のエラー、アウトになるかセーフになるか、そして勝つか負けるかも、自分の行動ですべてをコントロールできないんです。

勝ちたい気持ちはわかります。でも、勝ちたいと思って勝てるのなら、練習する意味はありませんよね。

ピッチャーなら、捕手のかまえた場所に投げ込むだけ。それだけです。

打者なら、来た球に合わせてボールを振るだけ。

守備なら、打球を捕るだけ。

走者なら、次の塁に向かって走るだけ。


自分自身がどうにかできることは、自分が行動することだけ。

自分でコントロールできないものに対して意識を向けることは、勝つために必要な自分の行動をおろそかにするだけです。

結果は、誰にもどうすることもできないことを知ることで、余計な緊張がなくなって、やるべきことに集中できるようになります。


緊張を楽しむってこういうこと!


「緊張を楽しめ!」みたいなことを言う人がいますが、楽しめるものなら楽しんでますよね。

でも、緊張を楽しむ方法がひとつあります。

それは、事前に緊張をしておくこと。試合当日までに、緊張を終えておくんです。

試験で緊張するのは、解答したいという願望に対して、解答できないことを予測するからです。もし、解答をすべて知っていれば緊張なんてしないですよね。

それと同じです。いわば、緊張のカンニング。

その方法がこれ↓


緊張の予行練習がパフォーマンスを高める


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誰のジャマも入らないひとりの環境をつくってください。例えば、トイレ、就寝時などです。

そして、試合当日のことをイメージします。試合でプレイするイメージではありません。試合当日に目が覚めた瞬間から想像するのです。

朝起きると、どんな天気ですか?

布団を出て、ユニフォームに着替え、朝食、歯磨きをして、「行ってきます!」と大きな声で家を出ます。

どんな気持ちで自宅での時間を過ごすのか、想像してみてください。

そして、試合会場に行く途中、どんな風景を見てどんなことを思いますか?

会場に到着後、チームメイトとどんな会話をして、どんな気持ちになりますか?

ウォーミングアップ、どんな気持ちでランニングをしていますか?

キャッチボール、試合前のノック、緊張していますか?

どんどん気持ちが高まっていくはずです。

さあ、いよいよ試合開始です。

もし、あなたがピッチャーなら、最初の1球どんなボールを投げますか?その球に対し、バッターはどのような行動をしますか?

もし、あなたが打者ならネクストバッターズサークルから見るシーンから想像しましょう。

そして、打席に入ります。

投手が投げてきた球は?ストレート?カーブ?コースは、インコース?アウトコース?高め?低め?

それをあなたは見逃す?空振り?ファール?ヒット?内野ゴロ?

このように、試合当日のシーンと自分に起こる感情を想像してください。

すると、ドキドキと鼓動が高鳴って緊張するはずです。そのときに、緊張をほぐす方法を色々試してみてください。

例えば、大きく深呼吸をしたり、楽しいテレビ番組や大切な人を思い出したり、なんでも構いません。非難訓練のように、緊張したときに行う行動を練習しておくのです。

また、ドキドキをこれ以上にないくらい高めてみて、当日の緊張を小さく感じさせるという方法もあります。

あらかじめ緊張を経験しておくと、試合当日に緊張しても、「このタイミングで緊張しそうだな」とか、「緊張してきたからほぐしておこうか」というように、

客観的に自分を見ることができて、緊張への対処も早くなり、試合当日は自分の気持ちをコントロールして緊張を楽しめるようになります。

試合の1週間前くらいから毎日行ってください。



まとめ


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野球の試合において、緊張を味方につけてパフォーマンスを高める方法についてお伝えしてきましたが、私も現役時代はバキバキに緊張するタイプでした。

試合前、試合中は、コップにお茶を注ぐときに手がブルブルと震え、うまく注げなかったくらいです。

でも、緊張を受け入れて、緊張の原因、自分でコントロールできることを整理して、緊張を予行演習することで、

気持ちをコントロールできるようになると、安定して高いパフォーマンスを発揮できるようになりました。

特に、責任感の強い子ども(〇〇しなければいけない)と思う子どもに対しては……

「勝とう」と声を掛けるより、「ボールに集中しよう」「キャッチャーミットに投げ込もう」といった声掛けのほうが緊張をほぐす方法としては有効です。

緊張はマイナス要素ではなく、プラス要素になるということを理解して、練習の成果を余すことなく試合にぶつけてください。